「時が癒す」とはおもえなかったけれど

失った大切な人との別れは、誰もが経験する悲しみです。

しかし、今まさにそのつらい喪失感に苦しんでいる人にとっては、その痛みは誰にも理解できないほど深く、癒やされることのない絶対的な苦しみなのです。

愛する人を亡くした人は、そのつらさを誰にも共有することができません。

どんな言葉で慰められても、自分一人で背負っていく悲しみなのだと感じるでしょう。

「時間が解決してくれる」といった一般的な励ましの言葉は、かえって自分の痛みの個別性を強く意識させ、

孤独感を募らせてしまうかもしれません。

しかし、時間は確かに様々なものを解決してくれるものです。

最初は、パートナーがいた頃の生活が本当で、今は空虚な時間の積み重ねにすぎないと感じるかもしれません。

しかし、だんだんと生活に慣れていくと、今が「本当の今」であり、

「あの時の本当」はあのとき限りのものだと気づくようになります。

このように、受け入れられなかった事実を受け入れられるようになるのは、まさに「時間」しかないのかもしれません。

人それぞれに受け止め方の違いがあり、誰一人として後悔のない形でパートナーを見送れたという人はいないでしょう。

今、悲しみの最中にいる人に伝えたいのは、自分を責めすぎないでほしいということです。

あなたはあなたのできる範囲で最善を尽くしたのですから、その上で起こった出来事を受け入れていくことが大切なのです。

一人残された者の痛みを、パートナーにさせずに済んだことが、大きな慰めになるはずです

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