大切な人を失うことは誰にとっても非常に辛く悲しい経験です。
愛する人との別れを考えるだけでも心が張り裂けそうになります。
そのような深い悲しみに直面した時、自分の感情を否定したくなることもあるでしょう。
それは自然な反応です。
死別の悲しみに苛まれる人は、しばしば気を紛らわせようとします。
しかし、それは逆効果になることがあります。
遺族が悲しみを認めず、それから逃げようとすることは、
遺族が最も慰めとケアを必要としている時に、彼らに沈黙を強いることを意味するのです。
悲しみを否定し、そこから逃げることは簡単に思えるかもしれません。
しかし、実際には傷ついた心を癒すためには、その苦痛そのものと向き合う必要があります。
死別の悲しみは大きな矛盾を含んでいます。
私たちは愛する人の死を受け入れつつ、同時に彼らを取り戻そうと悲痛な願いを抱いているのです。
感情を鈍らせて何も感じなくしようとするのは、一時的に苦しみを和らげるように見えるかもしれません。
しかし、それは喜びや楽しみ、安らぎや笑いといった、心に充足感をもたらす感情も失うことを意味します。
むしろ、悲しみを真正面から受け止めることが、大きな喪失感から立ち直るための近道なのです。
死別の悲しみから立ち直るためには、自分の感情を表に出していいのだと知る必要があります。
十分に悲しんだ後、それを乗り越えて向こう岸にたどり着きたいのであれば、
自分の感情をありのままに受け止め、そのための時間を充分に取ることが大切なのです。
