悲しみと折り合いながら

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まだ終わらない人生を残された者はどう生きるか

人の死を完全にコントロールすることは不可能です。

人の死によって引き起こされる「死別」の経験は、私たちに大きな悲しみと痛みをもたらします。

「死別」と訳されるbereavementという言葉自体が、「奪い取る」「略奪する」「所有権を奪う」といった意味を持っており、愛する人を強制的に失うという概念に基づいています。

また、「立ち直る」という言葉は、悪い状態から元の良い状態に戻ることを意味しますが、死別の場合はそのような完全な回復は望めません。

大切な人の死によって、遺族を取り巻く状況は変わり、遺族自身も変化してしまうのです。

立ち直るなど、出来なくてもそれは当然のことです。

死別の悲しみは時間とともに小さくなることはあっても、完全に消え去ることはありません。

ふとした折に湧き上がってくることもあり、完全になくなることはないのではないのでしょうか。

また遺族もそんなことを望んでいないでしょう。

死別体験を完全に消し去り、忘れることは不可能なのです。

人の死は私たちの手の届かないところにあり、それによって引き起こされる悲しみも永遠に続く可能性があります。

最後に9.11米国同時多発テロの後、チェーンメールとして世界中に広まった有名な一つの詩があります。

ご紹介させて頂きたいと思います。

   

   そして わとしたちは 忘れないようにしたい

   若い人にも、年老いた人にも

   明日は誰にも約束されていないのだということを

   愛する人を抱きしめられるのは

   今日が最後になるかもしれないことを

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