日本人の4つの悲嘆 ③うつ的不調

大切な人を亡くした後は、さまざまな感情に翻弄されることがあります。

葬儀や法的手続きが終わり、一段落したころから、死別の現実が心に重くのしかかってきます。

悲しみや虚無感、無気力など、うつ的な症状が顕著に現れてくるのです。

この時期の人は、自分の状態が正常なのか、病気なのかと不安に陥りがちです。

やがて、何の目的もなく生きていることに疲れ、笑顔を失い、生きる意味さえわからなくなることもあります。

遺族が訴えるうつ的な症状は、無関心や無気力、食事や外出、人と会うことが億劫になることです。

感情のコントロールが不安定で、悲しみに耐えられなくなったり、落ち込みが強くなったりします。

意欲や活力の低下、判断力の低下、孤独感など、さまざまな症状が現れます。

これらの症状は、思慕とは異なり、ポジティブな要素を持ちにくい厄介なものです。

調査によると、死別者の3~4割がうつ的な反応を示し、何らかの形で医療機関を受診しているという結果が出ています。

特に子どもの死別や自殺の場合は、受診率がさらに高くなると推測されています。

精神科はもちろん、最近は遺族外来や家族外来などを設けている病院も少なくありませんが、

まだまだハードルが低いとは言えません。

真の悲しみを知り尽くした遺族に起こる悲劇への充実が望まれます。

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